原動機付自転車、それは自転車に小型のガソリンエンジンを取り付けた乗り物。自転車とあるけど免許がないと乗ることができない。でもバイクのように高速道路を通ることはできない。自転車以上バイク未満と言ったところでしょうか。
原チャ、もしくは原付と呼ぶことが多いのではないでしょうか。短い距離を移動するのに便利な原付。
この記事はそんな原付で高知県から京都府まで移動したという旅日記です。旅の様子やアドバイスを記しました。暖かい目で読んで頂ければ嬉しいです!
旅をする経緯
高知から京都までの距離をなぜ原付で移動するようになったかと言うと、僕は現在(2019年春)社会人2年目を迎えようとしていて、京都に住んでいます。ですが大学が高知の大学に通っていたので高知で1人暮らしをしていました。
大学を卒業して京都に戻ったと言うわけなのですが、大学生の頃に通学時に使用していた原付を高知に置きっ放しでした。その原付を卒業して約1年ぶりに京都に持って帰ろうと思ったことが旅のきっかけです。
業者に頼んで送ってもらったり、乗り捨て可能な軽トラを借りて積んで帰るのが普通の手段なのですが、どうせなら楽しみたいと思い乗って帰ることにしました。そうです、偏差値低いです。
原付は法定速度30㎞です。制限速度が60㎞の道でもMAX30㎞しか出せません。また、高速道路を通ることができないので下道のみの移動です。言いたいことわかりますよね?めちゃめちゃ時間がかかります。
たまたま同じ境遇の友人(関西に原付を持って帰る族)がいたので思い出作りに原付旅を決行しました!
いざ高知へ
関西から高知へは高速バスで移動。新幹線は通っていないので電車で行く場合は新幹線で岡山まで行き、そこから特急で高知へ、という流れになります。高知龍馬空港へ飛行機で行くのもいいですが高速バスが一番コスパいいと思います。
- 5時間ほど寝れる(夜行バスなら寝てる間が移動時間)
- 景色を楽しむことができる
- 充電器が可能
- トイレもある
- 安い
飛行機では伊丹空港から50分ほどでつきますが、便が少ないのがネックです。電車は乗り換えがしんどいのと岡山からの特急の揺れが激しく酔う人が多いです。
Amazonプライムビデオで映画を2本楽しんだらあっと言うまに高知県に着きました久々の高知駅です。
高知県は土佐鶴をはじめとし、お酒が有名ですよね。高知駅の中にもべろべろの神様というお酒の神様のオブジェが。返杯という文化に飲み会で何度苦しめられたことか…笑
早速1年間放置しておいた原付の元へ。久々の対面。
僕の愛車、HONDAのTODAYです。愛車と言っても大学2年から車通学をはじめたので大学1年の時にしかお世話になってないんですけどね…。
ホコリをかぶっているので掃除です。また、長距離移動をするので欠かせないことがあります。
- オイル交換
- タイヤの空気圧確認
- タイヤの消耗感確認
- エンジンがかかるか確認
しばらくの間乗らないでいるとバッテリーがあがり、スタータースイッチだけではエンジンがかからない場合があります。そんな時はキックスタートやジャンプスターターでエンジンをかけます。それでもかからないようだと、バッテリー交換が必要です。
僕の場合キックスタートでなんとかエンジンがかかりましたが、友人はバッテリー交換をすることに。工賃込みで12000円ほどでやってもらっていました。
バイク屋さんに原付の状態を見てもらうと、前側のタイヤの消耗が激しくバースト寸前とのこと。旅の内容を説明するとこの状態だと峠の途中でバーストして悲惨な目にあうところだったとのこと。旅の前には点検をオススメします!工賃込みで8000円でした。
高知を楽しむ
旅の前日、久々の高知でせっかくなので大学時代の思い出に浸ろうとひろめ市場で飲んだり、研究室に顔を出したり、温泉に入ったりしました。
高知に行ったら絶対に食べたいと思っていたひばり食堂。カツ丼が有名なお店です。営業時間は11:30頃〜17:30なのですが売り切れ次第終了。1人で行く方はほとんどの確率で相席になるほど混むお店で連日大行列ができるので早めに行かないと痛い目にあうお店です。
ミニサイズでこのボリューム。店の横が精肉店ということもあり本格的なお肉が楽しめます。500円でお味噌汁も付いてきます。僕が高知県にいた4年間で一番美味しいと感じた食べ物です。ぜひご賞味あれ!
原付旅開始
いよいよ原付旅がはじました。3月中旬でまだ寒い時期。それなのに16時に旅を開始するストイックっぷり。真夜中の峠越えを覚悟しました。
原付なので車のようにカーナビがありません。時々止まり、スマホのグーグルマップを確認する旅に。後付けのスマホスタンド等あれば便利ですね!
ルートとしてはまず国道32号線を北上し、徳島県の三好まで出て、国道319号線をさらに北上。香川県に突入すると同時にまた32号線に合流し、高松港のフェリー乗り場にたどり着くこと。今まで国道ってそんなに意識したことなかったけど、すごいんですね。どこまでも続いているし運転中頭上の標識に沿って移動するだけで目的地につくことができる。
グーグルマップでは下道3時間5分となってますが、あくまでも車での時間。僕たちは原付。最低でも倍以上の時間はかかります。16時、アクセルハンドルを回しはじめた僕たち。
VS寒さ
あらかじめ多少覚悟をしてはいましたが、今回の最大の敵は寒さでした。3月中旬という寒さに加え、体が受ける風の冷たさもありました。高松港のフェリー乗り場にたどり着くまでに3つの峠を越えなければなりません。体が持つか心配でした。
1つ目のコンビニ
移動開始から寒さを体感した僕たち。1つ目のコンビニで手袋を購入。元々軍手をはめて運転していたのですが思うより風を通してしまい指の感覚がなくなってきたので手袋を購入。
2つ目のコンビニ
今度は服の隙間から風が入り込んできてスースーしだしました。体が縮こまります。耐えられません。ネックウォーマーを購入。それと同時に衣類を重ね着しだしました。見た目とか関係なく着れるだけ着てやろうの精神が芽生えました。
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3つ目のコンビニ
今度は足先が冷たくなってきました。もうお分かりだと思います、全く進んでいません。コンビニで足裏に貼るカイロを購入しました。個人的にはこれでフリーザでいう最終形態に近づけました。やっとまともに移動できます。
4つ目のコンビニ
止まってばかりです。でも寒さで止まったのではありません。お腹が空きました。腹が減っては戦はできぬです。ローソンへ立ち寄りからあげクンレッドを食べました。小腹を満たすのにはちょうどいい量なのと、少し辛いので体があったまります。一石二鳥です。
- 手袋
- ネックウォーマー
- カイロ
- からあげクンレッド
危険がいっぱい
原付で夜の峠越えをしている最中は危ないことが多数あります。簡単にまとめると以下のようなものになります。
- 対向車のヘッドライトが眩しい
- 大型車が横をすれ違う
- ギザギザの道でバランスを崩しやすい
まず、峠道なので上り下りが激しいです。なので向こうがハイビームをしていなくても目の高さに対向車のライトが位置することがあります。眩しすぎるので目をくらませないように注意しましょう。
次に、夜の道は運送系の大型車(トラック)が多数走っています。原付VSトラック。当たればひとたまりもありません。十二分に気をつけましょう。
ギザギザの道とは、以下の写真のようなものです。
グルービング工法と呼ばれ、路面凍結防止や滑るのを防止目的で施されているみたいなのですが、原付のタイヤの細さには溝がいい感じにはまってしまってバランスを崩しやすいです。ここを移動するときだけ時速10㎞くらいになってました。笑
フェリー乗り場到着
適度に休憩を挟み、温泉で温まったりしながら深夜12時、高松港へ到着しました。出発から8時間ほど経ちました。道中の写真がないのは、必死に運転していたからです笑 運転中にスマホなんてダメですからね!
原付は高速に乗れず、もちろん水陸両用でもないので高松と神戸を結ぶジャンボフェリーに乗り関西上陸を目指します!ジャンボフェリーの細かな値段や時間は公式HPをご確認ください。
受付窓口で深夜1時発の便の搭乗券を購入。原付を船に乗せる料金も込みで4090円で乗船することができました。
大型トラックも多数乗船する中ぽつんと存在する僕たちの原付2台。
撮影禁止だったので写真はありませんが、寝室やロビーは広々としており雑魚寝が可能でした。充電もできます。人目を気にしたり安眠を求める方はプラス料金にはなりますが個室を注文するといいでしょう。
ゴール
フェリー乗船時間は4時間ほど。睡眠にはもってこいの時間です。しかし布団や枕のない雑魚寝だったので思うように寝付けず1時間睡眠で神戸港へ到着。外に出るとまだ太陽が昇っておらず寒かったです。
まずはすき家へ逃げ込み朝食。すき家って正義です。あんなにコスパいい店はない。そして朝食が済むと早朝から開店の銭湯へ。お年寄りの方がこぞって入りにきておられました。その中に若僧2人。少し大人になった気分でした。
目的地への京都へは永遠に国道171号線を上がるという耐久レース。四国にいた時に比べ交通量や車線の数が多く危険な戦いでしたが、二段階右折という武器を駆使して無事京都へたどり着くことができました。家に着いたのは昼の14時。出発から22時間でのゴールです。
まとめ
原付で四国から関西へというストイック旅でしたが、学生の頃に戻れた気がして新鮮でした。こーゆー旅は体力とラフさと時間のある時にしかできませんからね。学生の方にはぜひやっていただきたい旅になりました!
原付は近距離移動だけではなくいろんな可能性を秘めていると思います。ガソリン満タンで500円もしないというコスパの良さも光ります。あなたも原付旅ブーム先取ってみませんか?以上、高知京都の原付旅日記でした!